表現メディアの編集と表現「ボードゲーム制作」
はじめまして、今年度この授業を担当しているものです。
情報理数科3年の選択科目「表現メディアの編集と表現」では、授業で「ボードゲーム制作」を実施しました。
形態や配置、色彩、タイポグラフィ、画像などと学んできた内容をカタチにすることでより深い学びに繋がることを狙いとしています。
というのもボードゲームには、表現を学ぶ上で必要なことが凝縮されています。カードデザイン、ルールブック、ゲームシステム、世界観、箱によって構築されており、生徒は一人で企画から制作まで全てを行ないました。
余談ですが、柏の葉高校はボードゲーム部がある公立高校ではかなり珍しい学校です。(2019年 同好会設立、2020年 部に昇格)
今回はその制作物の紹介をさせて頂きます。
ゲームの概要やコメントは生徒に考えてもらいました。
NO.1 ビルだー!
ゲームの概要
あなた達はある有名な建設会社の社員です。ある日、高いビルの設計を依頼されました。しかし、依頼主はあなたのライバル会社にも設計依頼をしており、先に完成した会社にのみ報酬を支払うというのです!出されたお題の建物を、二人一組で作業を行い、片方が完成図を見ながら、もう片方の作業員に指示をし、二人で協力しながらライバル会社よりも早く設計をしましょう!
設計に負けた会社には上司からペナルティカードを渡されてしまいます!
ライバル会社よりペナルティカードを多くもらわないように気を付けましょう!
コメント
組み合わせがなるべく複雑でわかりにくいものになるように調整しました。「なるはやのつるぎ」というボードゲームを参考に、そこにオリジナリティな要素を足すことで、チームプレイゲームとして楽しんでもらえるよう工夫しました。立体感を出せるように、デザインの制作はblenderで行いました。
NO.2 Enigma-hack
ゲームの概要
ハッカー同士が先に相手のディープウェブに侵略するゲームです。自身の持っている駒を動かし、相手の駒や自身の駒と繋げる、パズル戦略が必要になっています。
駒は以下のように動かします。
緑の位置から赤の位置に移動することができます。
場に設置されている駒の線上に動かしたい駒が繋がっていれば動かすことができます。また、動かす駒に書かれている線の方向であれば一マス動かすことができます。
上の図では、十字の駒を動かすため、右と左に動くことができ線が繋がっている右上にも進むことができます。
コメント
勝利条件を満たしていても線が繋がっていることに自身が気づかず負けてしまうことがあったりした。
プレイした人からは好みがわかれる声が聞こえた。
ひとつひとつの素材をadobeのillustratorで作りました。また色と統一化を図り、シンプルなデザインにしました。多くのルールを考えていましたが、テストプレイにて、シンプルなルールの状態でもかなり混乱を招いてしまったため、ルールも少なくしスタイリッシュに仕上げました。
NO.3 借金鬼ごっこ
ゲームの概要
借金の返済をしつつ借金取りから逃げる非常に教育的なゲーム
《簡単なルール》
手番の人はサイコロを振り、出た目の数だけ進むか、×100万で返済する。
途中にある利子マスは必ず止まらなければならない。止まったらサイコロを振り、出た目の数×10%で利子が増加する。
全員の人の手番が終了したら借金取りは2マス進む。(最初の手番では動かない)
借金取りにつかまると今持っている借金額が2倍になり、捕まえてないほうの借金取りの後ろに移動する。
借金が2億になった時点で敗北する。
借金の全額返済で勝利する。
イと書かれたマスに止まったらイベントカードを1枚引く。
コメント
サイコロを振り、進むか返済するかのゲームバランスや最初の借金額、借金取りの人数や歩数やイベントカードの内容などを考えました。債務者くんの絵はゲーム制作者の好みを具現化した手書きです。版権ではありません。
NO.4 ERROR FIXER
ゲームの概要
コメント
手に持った時にカードの種類の判別がしやすいようなデザインにこだわりました。
運と戦略のバランス感を重視し、麻雀程度のバランスになるような調整を行いました。
このゲームは、日々Windowsで表示されるエラーや、自動修復ツールをモチーフにして作成しました。
NO.5 Life Over
ゲームの概要
手札を集める準備フェーズと、集めた手札を駆使して敵(プレイヤー)のライフを減らしていくバトルフェーズの2フェーズあり、バトルフェーズにて最後までライフが0にならなかったプレイヤーが勝利。
コメント
カードの効果やイラストを考えるのに全力を尽くしました。効果だと、面白みを出すために持っていてメリットデメリットになるカードを作りました。イラストにも面白みを出そうと思い、緩めな感じになるように少し工夫をして作りました。
NO.6 色ポーカー
ゲームの概要
トランプではなく色のカードを使ったポーカー。
オリジナルの役を作ることができる!!!
発想次第で一発逆転を狙うことができる!
ポーカーの一般的な役の強さに加えオリジナルの役の強さがある!
オリジナルの役の強さの説明
例えば、
5色を使ったオリジナルの役はストレートよりも強い!
一般的な役を狙いに行くよりも、オリジナル役を狙った方が勝利に近づける!
例えば下の場合は「信号機」というオリジナルの役になります。
コメント
・オリジナルの役を作ることができる点!
・明度、彩度で役を作ることができるため直感で分かる!
・様々な色なので手札にあるカードを見てるだけで楽しい!
・カードの色の種類がまだまだ少ないのでもっと色とりどりにしていきたいです。
・個人的にパステルカラーが好きなのでパステル.verも作りたいです
一見弱い手札でも発想次第で最強の手札になっちゃうかも!?!?
NO.7 Swap Junction
ゲームの概要
プレイヤーは伝説の軌道工事スタッフとして、国からの「より早く、相手陣地に電車を届けてほしい」という依頼をこなすため、盤面に並んだ線路カードをひっくり返したり入れ替えながら相手より早く相手陣地を目指します。
《簡単なルール》
1.サイコロをふります
2.出た目に応じて線路を動かします(1.6は1 2.5は2 3.4は3として扱います)
線路を一つ選び、ひっくり返してから他の線路と入れ替えます
3.勝敗がつくまで互いの手番を繰り返します
駒の動かし方:互いの手番が終わるたびに最大線路二つ分、つながっている線路に移動します。
コメント
色の縦横の位置をcm単位で測り揃えました。
線路カードが白地に赤と青の線だけなので背景を作りこみたかったが、下手に塗ると線が見えづらくなる可能性もあったので、塗ることができなかった。もっと異世界観を出せたらよかったなと思う。
以上7点、生徒が制作したボードゲームでした。
3学期にフェナキスティスコープに取り組みました。
生徒たちが制作したものを公開しています。ぜひご覧頂ければと思います。